清水節(編集者/映画評論家)さん 近況

床下で暮らしていたアリエッティのように、ひっそりと生きていきたいのだが、ぼくは時折、面倒な事態に巻き込まれる、いや、引き寄せるのかもしれない。世渡り下手で、正論を通そうとし過ぎる、と人は言う。いつも問題になるのは、「言葉」だ。自分としては、挫折を繰り返し、妥協ばかりしているつもりなのだが、世の中は矛盾に満ちていて、いまだこの国には第9地区があるのではないかと思うこともしばしば。理不尽な仕打ちに対しては、どうしても正面から向き合ってしまうタチのようだ。それでもまだ生き長らえているのは、何かしら意味があるのだろう。これまで同様、互いに敬意を払い合える人たちとの仕事を大切にしていくしかない。映画と出版を取り巻く環境はますます過酷になり、さらに激変していくだろう。しかしこれからも、アナログな老朽艦ギャラクティカを率いたアダマ艦長のように、希望の地を信じ、おそるおそる暗黒の海を航行していこうと思う。So Say We All!